不動産相続は登記だけで終わりません ~山林・農地を相続した場合の注意点~(2025/9/24)
不動産の相続手続きというと「相続登記さえ終われば完了」と思われがちです。
しかし実際には、登記だけでは手続きが完結しない不動産もあります。代表的なのが 山林 と 農地 です。
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山林を相続した場合
山林を相続した場合、条件によっては 森林法に基づく届出 が必要になります。
• 10ヘクタール以上の森林 を所有することになった場合は、市町村に「森林の土地の所有者届出」を提出する義務があります。
• 10ヘクタール未満であっても、自治体によっては独自のルールで届出を求めている場合があります。
相続登記が済んでいても、届出を怠るとトラブルになる可能性がありますので注意が必要です。
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農地を相続した場合
農地を相続した場合には、農業委員会への届出 が必要です。
• 相続による農地取得は「農地法第3条」に基づく手続きです。
• 許可ではなく「届出」で足りますが、相続を知った日から10か月以内に提出しなければなりません。
• 相続登記とは別の手続きとなるため、忘れずに対応することが大切です。
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その他に考えられるケース
• 保安林や特定用途地域の土地 → 所轄官庁への届出や承認が必要となる場合があります。
• 固定資産税 → 毎年1月1日時点の所有者に課税されるため、名義変更が反映されるのは翌年度からです。
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まとめ
不動産の相続手続きは、登記を終えればそれで完了というわけではありません。
• 山林 → 森林法に基づく届出(10ha以上は必須)
• 農地 → 農業委員会への届出(相続から10か月以内)
不動産の種類によって必要な手続きが異なります。登記が終わったからと安心せず、状況に応じた届出までしっかり行うことが重要です。
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相続不動産の手続きでお困りの方へ
当事務所では、相続に関する登記後の各種届出や手続きについてもご相談を承っております。
「山林や農地がある場合はどうしたらよいのか」「どこに届出をすればよいのか」など、ご不明な点がありましたらお気軽にご相談ください。